自前の種麹と言っても、昨年3月に作った麹の残りで、種麹として使えるか心配だ。

見かけはどうみても怪しいが、白い胞子が出ていてアルコール臭がする。何とか使えそうと判断した。

いつもならMさんと麹作りなのだが、天候が安定せず予定が組めない。米作りの準備も迫っている上に失敗の可能性がある。今年は単独で麹作りになった。

3月17日、麹作り1日目。米を洗い水に浸ける。

米5kgは一昨年の半分、昨年の2/3の量だが台所の流しでは狭すぎる。水浸しになっても心配ない風呂桶内で濁りが取れるまで洗う。

3月18日、麹作り2日目。水切り。

米を蒸すのは昼前、10時間水に浸けた米も4時間あればしっかり水が切れる。

着火にはマグネシウムのメタルマッチを使う。強い南風が吹いていても、ライターやマッチのように簡単に火が消えたりしない。

火口(ほくち)にススキの穂を使うと簡単に着火させることができる。

火が安定したところで釜に水10リットルほどを入れる。

15分ほどで蒸気がフタのすき間から勢いよく吹き出す。

30分ほどで蒸しあがる。米粒の表面は乾いていて生米のようだが、口に入れるとおこわになっている。家庭用のガスではこの仕上がりは期待できない。

蒸し米の温度が人肌になったところから種麹を均等に混ぜていく。心配な自前の種麹を使ったが、麹特有のよい香り広がり、少しだけ安堵する。

3時間後の午後3時過ぎに温度を計ると30℃を超えている。発酵は順調に進んでいるようだ。

仕込み11日目のボカシ肥と温床